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 ここにご紹介するのは、キオテック創造学習センターの受験・記憶術通信講座「入門編テキスト」のレッスン1(4ページ分)です。入門編は1日1レッスン、7日分をまとめてあり、記憶術のあらましがわかるようになっています。また、本格的な記憶術を身につけるための基礎トレーニングを兼ねています。
 本講座では、入門編を7日間勉強した後でも、受講を取り消して教材を返品できるシステムをとっていますが、その前に第1日目(レッスン1)をここに公開することにしました。興味のある方はこのページを「お気に入り」に保存して、じっくりご覧ください。


レッスン1

記憶術ってなあに?


記憶術以外の記憶法

 さあ、今日からさっそく記憶術のレッスンに入りましょう。1日目は記憶についてのお話だけで、トレーニングはありません。気楽に読んでくださいね。
 私たちの大脳に記憶されている情報の大部分は、特に覚えようと努力して覚えたものではありません。いつの間にか覚えてしまったものがほとんどです。
 たとえば、いつもしゃべっている簡単な日本語、あるいは、楽しかった行事や旅の思い出、さまざまな風景、人の顔などは覚えようと意識して記憶したわけではありません。
 ところが、学校の勉強や、社会人が資格を取るためにする勉強はそうはいきません。覚えようと意識し、努力しても、なかなか覚えられないのが試験勉強です。そこでいろいろな工夫が生まれました。次に覚え方にはどんな方法があるか見てみましょう。
@内容をしっかり理解する
 ものごとの仕組みなどは、理解するだけで簡単に記憶できることもたくさんあります。でも、新しい用語や複雑な仕組みなどは理解しただけでは覚えられませんね。
A何度も繰り返す
 最もオーソドックスな方法は、覚えるまでひたすら繰り返すことです。いつかは覚えられるでしょう。そして、覚えたら忘れないうちにまた復習する。この方法の欠点は時間がかかり過ぎることと、おもしろくないので長続きしないということに尽きます。
繰り返し唱える暗記法は時間がかかる
B声を出して読む(唱える)
 これは単純な繰り返しのいわば改良版ですね。効果はかなり違ってきます。
C書きながら声を出し覚える
 さらに手の作業が加わりますから、記憶が定着する可能性はより高くなります。
D表組みや図解チャートを作る
 文章を読むより、箇条書きになったものの方が覚えやすい。それよりもっと覚えやすいのが、表組みや図解チャートになったものです。その図表を自分で作ってしまえば、さらに理解と記憶は深まるでしょう。ただし、手間と工夫が必要になってきます。
Eゴロ合わせを使う
 昔からいろいろなゴロ合わせが考えられてきました。いくつか例を挙(あ)げてみましょう。

  31日までない月 = 西(24)向く(69) 士(11)

  1789年フランス革命 = 火なわ(178) く(9)すぶるバスティーユ

  円周率3.14159265… = 産(3)医師(14) 異国(159)に(2) 向こ(65)う

 上の三つ、だれが考えたかわかりませんが、なかなかの傑作だと思いませんか。ゴロ合わせは楽しく覚えられ、時間と労力の節約になるすばらしい知恵です。
 でも、いつもこのようにうまくいくとは限りません。まして、新しいゴロ合わせを自分で作るのは、ダジャレ心がないと苦戦しそうです。
 とはいってもゴロ合わせは強力な武器で、記憶術でも一部に取り入れて使います。

覚えることよりも思い出すことがポイント

 自分のことを「もの覚えが悪い」と思っている人は多いですね。でも、人間の記憶力に大きな差はありません。だれだって本気になれば覚えられるのです。
「覚えられない」と思っている人は、実は覚えたことが「思い出せない」だけなんです。いったんは覚えたゴロ合わせは、思い出すきっかけ作りの技術ものが、時間とともに消えてしまう。これはだれでも同じことです。だから、忘れる前に思い出してみる、つまり復習すればよいわけです。
 覚えたことは、何度も思い出すことによって記憶が深く刻まれます。ですから忘れる前に覚えていることを確かめてみることが大切です。
 ゴロ合わせがすばらしいのは、思い出すためのきっかけをあらかじめ用意していることです。「覚えるための工夫」は、「思い出すための工夫」でもあったのです。そして記憶術もまた「思い出すためのきっかけ」を覚えるときに仕込む技術なのです。

ことばよりもイメージのほうが忘れない

 記憶術がこれまでの覚え方とまったく違うのは、ことばを覚えるのではなく、イメージを頭に焼きつける点にあります。
 ところでイメージって何だかわかりますか? たとえば「みかん」ということばを声に出してみてください。「みかん」という発音はまだイメージではありませんね。もちろん「みかん」という文字も、みかんを表す記号に過ぎません。そこで今度はみかんの形を頭に描いてみます。

  楕円形(だえんけい)の形、オレンジがかった黄色い皮、
  表面のブツブツ、頭のてっぺんの突起…言葉よりイメージのほうが忘れない

 みかんの姿が頭に描けたでしょうか。それが「イメージ」です。鮮明に描けなくてもいいのです。ただなんとなく「みかん」と感じればよいのです。
 「わたしには色が見えないのですが」と心配な顔で質問をしてきた生徒さんがいました。色は見えなくていいのですよ。見えたら超能力ですから。ただなんとなく、黄色っぽいという気分になればそれで十分です。
 
 それでは次にご家族のだれかの顔をイメージしてみましょう。あなたはその顔をことばで正確に表すことができますか?
 その顔は笑っている顔ですか、すました顔、それとも怒っている顔ですか?
 髪型(かみがた)や髪の長さはどうですか? 目は大きいですか? 色は白いですか? 顔の輪郭(りんかく)は? 一番の特徴はどこにありますか? 

 人間の顔を何千、何万のことばを費やして説明しても、たった1枚の写真の「説得力」に負けてしまうでしょう。イメージの力はそれほどまでに強力なのです。
 イメージが、ことばを記憶するよりはるかにたやすく、しかも忘れにくいということが、納得できたでしょうか。
 イメージは瞬時にして頭に焼きつきます。それを利用したのが記憶術です。記憶術はことばを覚えるのではなく、ことばをイメージに置き換えて覚える技術だといえます。

イメージのドッキングが脳にインパクトを与える!

 イメージのドッキングって何ですか? それが脳にインパクトを与えるっていわれても…。まあまあ、あせらないでください。
 ひとつ例題を出します。近代文学史からです。

  樋口一葉(ひぐち いちよう) ― たけくらべ

 これをどう覚えるかということですが、記憶術では「樋口一葉」と「たけくらべ」を頭の中で視覚的にイメージ化して、その二つをドッキングさせて物語を作ります。それではやってみましょう。
 まず樋口一葉ですが、この方は五千円札の中にいますね。もうイメージは簡単です。

  五千円札の中から樋口一葉が飛び出してきて、私とたけくらべをした
記憶イメージ:五千円札の中から樋口一葉が…
 これで樋口一葉の代表作の名前が、脳に鮮やかにインプットされましたね。イメージは現実にありえないことでもOK! 「何でもあり」なのです。どうですか? 記憶術っておもしろくて簡単でしょう。

「絶対忘れないもの」に結びつける

 記憶術の基本は上の例のように、「イメージとイメージを強いインパクトで連結させる」ことです。
 記憶術にはもうひとつの基本があります。それは「絶対忘れないもの」に覚えるべきことを「イメージ化」して連結することです。
 絶対に忘れないものとは何か? たくさんありますね。たとえば、自分の身体の各部分、曜日、十二支、学校までの道順、近所の家並みや風景、家族や親類の人たち…。それらに覚えるべき項目をひとつずつイメージで連結させていくのです。
  この方法は「基礎結合法」といい、記憶術の中心ともいえる技術です。このテキストのレッスン6でも少し説明していますが、本格的レッスンは技術編2になります。

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